トラックメイカーとは?作曲家との違いや年収・始め方をプロが解説

トラックメイカーとは?作曲家との違いや年収・始め方をプロが解説

トラックメイカーとは?作曲家との違いや年収・始め方をプロが解説について押さえておきたい 事実を厳選して解説いたします。

音楽制作の世界では、類似した肩書が乱立しており、現場の契約書やクレジット表記でも混同されるケースが後を絶ちません。最も根本的な定義を押さえると、トラックメイカーとは「ボーカル以外の伴奏(トラック)を自らDAW(音楽制作ソフト)上でプログラミング・構築し、音源として完成させるクリエイター」を指します。

日本の歌謡曲やJ-POPの伝統的な制作現場では、ピアノやアコースティックギターでコードとメロディを紡ぐ作業を「作曲」、そのメロディに対してストリングスやドラムを割り振る作業を「編曲(アレンジ)」と呼んできました。一方、ヒップホップやR&B、EDMなどのクラブミュージック発祥の制作スタイルでは、リズムやベースライン、シンセサイザーのループといった「トラック」が楽曲の骨格そのものを決定づけます。このトラック制作を一手に引き受ける役割がトラックメイカーです。

現場で混同されやすい4つの職種の境界線を、制作範囲・収益形態・立ち位置から整理した客観的データは以下の通りです。

職種・呼称主な担当領域・制作範囲収益モデル・権利関係編集部の見解・位置づけトラックメイカードラム、ベース、シンセサイザーなどボーカル以外の伴奏全般をDAWで構築制作費(買い切り)+共同作曲クレジットによる著作権印税、ライセンス料J-POPからダンスまで幅広い。編曲家(アレンジャー)の現代的進化形ビートメイカー主にヒップホップ、トラップ、Boombap等のリズムトラックやループ素材の生成BeatStars等のオンライン販売(非独占・独占ライセンス)、ストリーミング配分カルチャーに根ざした呼称。海外市場と直結したビート販売エコシステムで活動作曲家(トップライナー)主旋律(歌メロディ)の考案、コード進行の設計(伴奏は作らない場合もある)JASRAC等を通じた著作権印税(作曲印税)、コンペ採用時の制作報酬メロディラインの美しさを追求する職人。トラックメイカーとコライト(共作)を行う音楽プロデューサー楽曲のコンセプト決定、クリエイター選定、予算管理、レコーディング指揮など全体統括プロデュース印税(原盤印税の一定%)、企画プロデュース料制作現場の最高責任者。自身がトラックメイカーを兼任するケースも多数存在

特に注視すべきはビートメイカーとの違いです。歴史的にビートメイカーはサンプラー(AKAI MPCなど)を用いて既存レコードから音を抜き出し、ループを組むヒップホップカルチャーから派生しました。日本国内ではトラックメイカーとほぼ同義で語られる場面が多いものの、海外プラットフォーム市場では「ビートメイカー=リズムループの提供者」「トラックメイカー/プロデューサー=楽曲構成全体を緻密にアレンジ・ミックスまで仕上げる職人」という住み分けが意識されています。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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