畳を傷めず、かつアレルゲンを排出し尽くす鍵は、毎日の何気ない掃除機の動かし方に隠されています。フローリングのように前後左右へ縦横無尽にヘッドを滑らせていては、ホコリを繊維の奥へ押し込むばかりか、い草の表面を毛羽立たせて寿命を縮めてしまいます。
最も重要な原則が、畳掃除機のかけ方 目の向きです。畳表は、縦方向に無数のい草が織り込まれてできています。掃除機のヘッドは必ず「畳の編み目の筋に沿って平行」に動かしてください。目に逆らったり、斜めに交差させたりすると、繊維同士の結合がほぐれてささくれが発生します。動かすスピードは、1畳あたり40秒から60秒を目安に、引く動作を意識してゆっくり滑らせるのがコツです。吸気口のブラシ回転は停止させるか、「畳・弱モード」に設定することで、表面の摩耗を最小限に抑えられます。
日頃のメンテナンス設計としては、い草畳 普段の掃除頻度を週に2〜3回、目方向への掃除機がけと換気で組み立てるのが理想です。汚れが気になるときは、マイクロファイバークロスではなく、木綿の古タオルを用いた「から拭き」を徹底します。綿の繊維が余分な皮脂や表面のホコリだけを絡め取り、い草本来の油分による自然な光沢を育ててくれます。
また、古典的でありながら現代のハウスダスト対策としても再評価されているのが、畳用ほうき 茶がら掃除の技法です。固く絞った緑茶の出し殻を畳全体にパラパラと撒き、座敷箒(ほうき)で茶がらを転がすように掃き集めます。カテキンの抗菌・消臭効果が行き渡ると同時に、茶がらが微細なチリやフケを吸着し、掃除機では吸いきれない隙間のゴミを浮遊させずに除去できます。朝の静かな時間帯に電気を使わず行える、極めて合理的で贅沢な環境配慮型のお手入れ法です。