ネット上のQ&Aサイトや掲示板では、「布団に入って数秒で記憶を失うように眠れる自分は快眠体質だ」「寝落ちは至高のリラックス状態である」という危険な誤解が散見されます。しかし、睡眠医学において入眠潜時(布団に入ってから眠るまでの時間)が極端に短い(5分未満)状態は、重度の疲労サイン(睡眠不足の蓄積)と診断されます。
もう一つの重要な盲点は、単なる疲労による寝落ちと、中枢性過眠症である「ナルコレプシー」の混同です。もし十分な夜間睡眠(7〜8時間)を確保しているにもかかわらず、日中の大事な会議中や会話中に抗えない強烈な眠気に襲われて寝落ちしてしまう場合、あるいは感情が高ぶった際に身体の力が抜ける脱力発作を伴う場合は、生活習慣の問題ではなく神経疾患としての治療が必要です。自己判断で「最近疲れているだけ」と片付けるのは極めて危険です。