切浜海水浴場が感度の高い海辺ファンを惹きつけてやまない最大の要因は、ユネスコ世界ジオパークに認定されている「山陰海岸ジオパーク」の核心部に位置する類まれなロケーションです。豊岡市公式の観光案内でも主要な見どころとして紹介されている通り、ビーチの両翼には兵庫県指定名勝の「はさかり岩」と、巨大な海食洞「淀の洞門」が鎮座し、一般的な砂浜リゾートとは一線を画す野性味あふれる景観が広がっています。
特筆すべきは、波打ち際から広がる海の透明度評判です。環境省の水質調査において例年最高ランクの「水質AA」を記録し続ける水質は、晴天時には水深数メートルの海底を泳ぐ魚の魚影まで肉眼で鮮明に捉えられるほど澄み渡ります。遠浅の砂浜エリアだけでなく、両脇に複雑な岩礁帯が入り組んでいるため、波が穏やかな日には切浜海水浴場でのシュノーケリングが極めて高い満足度を誇ります。ソラスズメダイやアオリイカの新子、ヤドカリなど多彩な海洋生物が息づく浅瀬は、子どもたちの自然観察やダイビング初心者のエントリーポイントとしても絶好の舞台となっています。
さらに、海岸からすぐ東側にそびえ立つ「はさかり岩」は、海食洞の天井が崩落し、落ちてきた巨岩が両側の奇岩の隙間に奇跡的なバランスで挟まったまま残ったとされる自然の彫刻です。「決して落ちない」というその奇跡的な姿から、近年では受験生や就職活動中の若者たちの合格祈願・願掛けスポットとしても静かな熱気を帯びています。西側に位置する「淀の洞門」には大鬼退治の伝説が残り、火山活動で形成された凝灰角礫岩の断面が夕暮れ時に黄金色に染まる光景は、訪れる者の心を揺さぶる叙情的な美しさを湛えています。