日中だけでなく、「就寝中に喉が砂漠のように干からびて飛び起きる」という訴えは、妊娠初期の妊婦に極めて多く見られます。現場の助産師や産科医へのヒアリングでも、妊娠初期の睡眠時口渇は相談件数の上位を占めるテーマです。この夜間の異変には、睡眠中の発汗増加と「つわり」に伴う呼吸パターンの変化が深く関わっています。
妊娠初期は黄体ホルモンの影響で自律神経が不安定になりやすく、夜間に大量の寝汗をかきやすくなります。コップ1杯以上の汗が失われることに加え、つわりによる悪心や胃酸の逆流感、鼻粘膜の浮腫(妊娠性鼻炎)によって無意識のうちに口呼吸に陥る妊婦が激増します。口を開けたまま呼吸を続けると、口腔内の水分は短時間で蒸発し、舌や上顎が貼り付くような異常な乾燥が生じます。
SNSやコミュニティサイトでも、「夜中に水を求めてキッチンを徘徊する」「枕元に500mlのペットボトルを置かないと不安で眠れない」といった切実な声が溢れています。唾液の質がサラサラから粘度の高いネバネバに変化する「よだれつわり(唾液過多症・味覚変化)」と重なると、水をいくら飲んでも潤いを感じにくく、精神的なストレスから不眠を助長する悪循環に陥りやすくなります。