「葬儀屋の仕事がここまで過酷だとは思わなかった」と口を揃える最大の要因が、不規則極まりない勤務シフトです。葬儀社の夜間体制には、会館内の宿直室で寝泊まりする「宿直」と、自宅で社用携帯を持って待機する「オンコール(自宅待機)」の2種類が存在します。
とりわけ過酷なのが、深夜の病院や自宅への「ご遺体搬送」です。深夜2時に電話が鳴り、1時間以内に専用の寝台車で病院に駆けつけ、故人をご自宅や安置施設まで搬送。その後、枕飾りの設置やご遺族との初期打ち合わせを終える頃には朝の6時を迎えます。多くの会社では、そのまま仮眠を取ることなく、午前9時からの通常シフト(通夜や告別式の準備・設営)に突入していくケースが後を絶ちません。
SNSや口コミサイトのリアルな声を見ても、「友人の結婚式に出席中、社用携帯が鳴って途中で退席せざるを得なかった」「友引の前日以外、休みの計画が立てられない」といった私生活の犠牲を嘆く投稿が目立ちます。24時間体制を維持するための人員が十分に確保されている大手上場グループであれば交代制が機能しますが、中小規模の葬儀社では少人数で当直を回すため、実質的な連続勤務が常態化してしまう構造的な歪みがあります。