インターネット上のコミュニティやSNSでは、「ミルクをしっかり飲むのに離乳食を食べないときは、授乳量を意図的に減らして空腹にすれば食べる」というアドバイスが散見されます。しかし、小児科医や管理栄養士の多くは、この手法に対して明確に警鐘を鳴らしています。
生後7ヶ月の乳児にとって、空腹は「食事へのモチベーション」には直結しません。むしろ、過度な空腹状態に置かれた赤ちゃんは、即効性のあるエネルギー源として慣れ親しんだ母乳や哺乳瓶のミルクを激しく求めます。その状態で未知の固形物やスプーンを口元に差し出されても、強いイライラとパニックからギャン泣きを起こし、離乳食に対する嫌悪感を強めるだけです。
また、自己判断で授乳制限を行うと、必要な水分やカロリーの摂取量が激減し、脱水症状や発育不全を招く重大なリスクが生じます。「離乳食を食べないから体重が増えない」と悩む親ほど、ミルクを削るのではなく、規定量の授乳を維持した上で食習慣のペースを見守る姿勢が求められます。
さらに、「市販品に頼らず全て手作りしなければならない」という思い込みも捨て去るべきです。大人が作る離乳食は、火加減や裏ごしの加減により、日によって固さや舌触りに微妙なブレが生じます。一方、国内主要メーカーが製造する市販ベビーフードは、月齢に応じた食材の柔らかさ、粘度、大きさがミリ単位・グラム単位で科学的に均一化されています。手作りを頑なに拒絶していた乳児が、市販の滑らかな瓶詰めやレトルトをあっさり完食する事例は現場で日常的に確認されています。