佐野優子さんが現役引退を発表したのは2015年5月、当時所属していたデンソーエアリービーズを通じてのことでした。女子バレー界のトップに君臨し続け、まだまだ第一線で戦える実力を保持していた中での決断は、国内外に大きな衝撃を与えました。
この電撃引退の背景にあったのは、「選手としてすべての目標をやり切った」という完全燃焼の境地でした。2012年のロンドンオリンピックで28年ぶりのメダルをもたらし、大会のベストリベロ賞を獲得。さらにヨーロッパのクラブチームでも欧州チャンピオンズリーグ制覇とMVP受賞を成し遂げ、リベロとして到達できる世界の頂点をすべて制覇しました。
年齢を重ねる中で生じる身体のコンディション調整の難しさや、「後進の若手リベロたちに日本の未来を託したい」という想いも重なり、惜しまれつつも自らの意志でユニフォームを脱ぐ決断を下しました。限界まで絞り尽くして駆け抜けたからこそ、後悔の微塵もない爽やかな幕引きとなりました。