地球最果ての深海「ポイント・ネモ」海底の真相とIss最終落下の衝撃

地球最果ての深海「ポイント・ネモ」海底の真相とIss最終落下の衝撃

地球最果ての深海「ポイント・ネモ」海底の真相とIss最終落下の衝撃の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

ポイント・ネモ周辺の海底は、水深約3,700〜4,000メートルに達する深海平原が広がっています。この海底環境について調査が進むにつれ、生物学的にきわめて特殊な実態が明らかになってきました。

ポイント・ネモは「南太平洋環流(SPG)」の中心に位置しています。この巨大な海流の渦は、沿岸部からの栄養塩(硝酸塩やリン酸塩など)の流れ込みを遮断してしまうため、海中の栄養分が極端に枯渇しています。植物プランクトンがほとんど育たないことから、光合成に依存する食物連鎖が成立せず、海洋生物学者の間では「地球海洋の砂漠」と呼ばれているのです。

プランクトンが極少である結果、海水の透明度は世界一とも称されるほど高く、太陽光の届かない水深数千メートルは完全な暗黒と極低温(約2度)の世界です。一般的な魚類や大型哺乳類はほぼ生息していません。

深海探査ロボット(ROV)や自律型無人潜水機(AUV)によるソナー走査や深海撮影でも、海底に広がるのは堆積した泥とごくわずかな底生生物(カイロウドウケツ等の海綿動物や好極限性細菌)のみです。ただし、海底に突き刺さった宇宙船の残骸や局所的な熱水噴出孔の周辺では、金属表面を足場とする微生物コロニーが形成されるなど、極限環境ならではの微小生態系が学術的な観察対象となっています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。