世界に約450種以上が存在するイカの仲間ですが、その腕のプロポーションは生息環境によって驚くほど多彩です。
深海の怪物として知られるダイオウイカは、全長が10メートルを超える個体も確認されていますが、その体長の半分以上は極端に発達した2本の触腕が占めています。暗黒の深海で遠く離れた獲物を確実に捕獲するため、触腕だけが桁外れのリーチを獲得しました。
一方、春の富山湾などで有名な小型のホタルイカも、腕の本数自体はきっちり10本(腕8本+触腕2本)を備えています。ホタルイカの場合、第4腕と呼ばれる特定の腕の先端に大型の発光器が3個ずつ備わっており、敵を威嚇する強い光を放つ独自の進化を遂げました。体のサイズに関わらず、基本設計である10本の機能分化が受け継がれている好例です。