物語が急展開を迎える第一部終盤、多くの読者を絶望の底に突き落としたのがパワーの死亡シーンです。原作漫画第81話「おてて」において、その悲劇は突如として訪れました。
銃の悪魔を巡る戦いで早川アキを失い、精神的に追い詰められていたデンジのもとへ、パワーはデンジの誕生日を祝うためにケーキを抱えて訪れます。しかし、そこに居合わせたマキマがデンジの目の前で人差し指を向け、「ぱん」と呟いた瞬間、パワーの上半身は一瞬にして跡形もなく吹き飛ばされてしまいました。
マキマの目的は、デンジの中に眠るチェンソーマン(ポチタ)との契約を破棄させるため、デンジが手に入れた「普通の幸せ」を徹底的に破壊することでした。早川アキに続き、最も身近な家族同然の存在であったパワーを無残に殺害することで、デンジの心を完全に折ろうとしたのです。何の救いもないあまりに理不尽な急死は、読者にトラウマ級の衝撃を刻みつけました。