峰不二子というキャラクターの立体感は、歴代の卓越した声優陣の演技によって磨き上げられてきました。半世紀を超える歴史のなかで、主に3名の名優がその魂を紡いでいます。
初代を務めた二階堂有希子は、第1シリーズにおいてハードボイルドな世界観にマッチした、クールで知的な大人の女性像を確立しました。媚びないハスキーボイスと凛とした佇まいは、初期の先鋭的なアニメーションに強烈なリアリティを与えました。
そして、国民的ヒロインとしての峰不二子像を決定づけたのが、2代目を務めた増山江威子です。1977年の第2シリーズから2010年まで、30年以上の長きにわたり演じ続けました。「ルパ〜ン♡」と甘えるコケティッシュな愛嬌と、裏切った瞬間に見せる冷徹なトーンの落差は、増山ならではの至芸でした。当時のインタビューにおいて増山は「不二子は決して単なる悪女ではなく、誰よりも純粋に自分の人生を謳歌している女性」と語っており、その解釈が日本中から愛されるキャラクターを生み出しました。
2011年からは、実力派声優の沢城みゆきが3代目を継承。増山が築き上げた色気と愛らしさを深くリスペクトしつつ、現代的なリアリズムとアクションシーンでの迫力を注入しました。沢城は自著や特番インタビュー等で「不二子を演じる際は、常に背筋を伸ばし、内面から湧き出る絶対的な自信を意識している」と明かしており、2026年代以降の作品群でも揺るぎない存在感を放ち続けています。