時代は令和からさらに進み、2026年。世襲や家柄に対する社会の目は、かつてないほど厳しく、同時に多様になっている。単に「誰々の子だから」という理由だけで賞賛される時代は終わった。実力が伴わなければ、観客はシビアに背を向ける。
しかし、歌舞伎における「家」とは、単なる特権ではない。それは、何代にもわたって蓄積された技術、美意識、そして「芸の身体的記憶」を継承するためのシステムである。寺島しのぶの一族を見ていると、そのシステムが単なる自己複製ではなく、新しい血を取り入れることで自己更新を続けていることがよく分かる。