ビジネスの視点から見れば、ポップコーンをはじめとするコンセッションフード(劇場内飲食)は、映画興行業全体の収益構造を支える極めて重要な柱である。かつて阪急・東宝グループの礎を築いた小林一三は、演劇や映画というエンターテインメントに独自のビジネスモデルを組み込み、民衆の生活文化を劇的に変革させた。その精神は現代のTOHOシネマズ株式会社にも脈々と受け継がれている。
東宝株式会社が展開する全国のシネマコンプレックスにおいて、チケット販売だけでなく高品質なフード&ベバレッジ産業を融合させる戦略は、劇場運営の安定的な基盤となっている。スクリーンからの映像体験と、出来立てのスナックがもたらす味覚体験の相乗効果こそが、時代を超えて人々を劇場へ引き寄せる原動力なのだ。