今日、かつて江戸城の本丸・二の丸・三の丸があった一帯は「皇居東御苑」として一般に無料公開されています。緑豊かな広場を歩くと、ひときわ目を引くのが、天守閣が建てられるはずだった「天守台」の石垣です。
天守台は東西約41メートル、南北約45メートル、高さ約11メートルに及び、整然と積まれた伊豆半島産の切り石や御影石が見事な曲線を描いています。スロープを登って天守台の上に立つと、広大な芝生広場(旧本丸御殿跡)と、背後に立ち並ぶ丸の内の高層ビル群が一望できます。
天守閣そのものは存在しないものの、その巨大な土台の上に立つだけで、かつて計画されていた天守がいかに規格外のスケールであったかを肌で実感できます。天守台の石垣には、明暦の大火の熱で変色・損傷した当時の痕跡が一部に残っており、歴史の生々しさを今に伝えています。