1930年代メンズスーツの魅力を決定づけているのは、計算し尽くされたパーツごとのプロポーションです。ジャケットの主流は6ボタン2つ掛けのダブルブレストであり、胸元を広く見せるワイドなラペルが風格を醸し出します。
パンツにおいては、深い股上を持つハイウエストトラウザーズが絶対的な基準でした。ウエストバンドを高く設定し、フロントに2プリーツ(インプリーツまたはアウトプリーツ)を施して腰回りにゆとりを持たせ、裾に向かってストンと落ちるワイドストレートシルエットが定番でした。サスペンダー(ブレイシーズ)で吊るすことで、センタークリースが美しく垂直に落ち、脚を長く、立ち姿を極限まで凛々しく見せる視覚効果を実現していたのです。