ムートンシーツの購入者が真っ先に直面する壁が、日常の取り扱いと季節ごとの使用感に関するギャップです。ネット上でも広く囁かれる「夏は暑くて使えない」「洗濯や手入れが大変すぎる」という噂には、天然素材ならではの物理的な理由が存在します。
最も大きなデメリットとして挙げられるのが、自宅での水洗いや洗濯機洗いが一切できない点です。ムートンは毛だけでなく裏面が天然の「皮」で構成されているため、水に浸けると油分が抜けて革が硬化・収縮し、元のしなやかさを失ってしまいます。汗ジミや飲みこぼしなどの汚れに対して手軽に丸洗いできない仕様は、手軽さを求めるユーザーにとって大きなストレス要因となります。
また、「夏場は暑くて寝られないのではないか」という疑問については、環境づくりによって評価が二極化します。羊毛の繊維内部はクリンプ(縮れ)構造になっており、コットンの約2倍、ポリエステルの約40倍という驚異的な吸湿・放湿性を備えています。そのため、就寝時の汗を素早く吸収して外へ放出し、肌表面はサラリとした感触を保つのが本来の性質です。
しかし、近年の日本の酷暑においてエアコンをつけずに使用した場合、毛足の中に体温がこもり、熱帯夜には耐え難い暑さへと変わります。視覚的な温かさも相まって「夏に敷きっぱなしにするのは厳しい」と感じてクローゼットへ片付ける人も多く、オールシーズン使えると信じて購入した層に後悔を生む一因となっています。