思春期ニキビが額や鼻などの「Tゾーン」を中心に皮脂分泌過多で発生するのに対し、20代以降に頻発する大人ニキビは顎から口周りにかけての「Uゾーン」に集中します。同じ場所に何度もぶり返す最大の理由は、ターンオーバーの乱れによる毛穴の角化異常です。
肌の代謝サイクルが停滞すると、剥がれ落ちるべき古い角質が毛穴の出口に留まり、微小面皰(マイクロコメド)と呼ばれる目に見えない皮脂の栓を形成します。口元は皮脂腺が存在する一方で汗腺が少なく、油分と水分のバランスが崩れて乾燥しやすい構造を持っています。角層の水分量が低下すると、肌は防御反応として角質を厚く硬くするため、わずかな皮脂でも容易に毛穴が閉塞し、内部でアクネ菌が増殖して赤色ニキビへと悪化してしまうのです。
さらに、口元は会話や食事で1日に数万回も伸縮を繰り返します。患部に絶えず微細な物理的テンションがかかり続けるため、毛穴周辺組織の炎症が鎮静化しにくく、治癒プロセスが大幅に遅延するという解剖学的なハンディキャップも抱えています。