ネット上の掲示板やSNSでは、「内視鏡検査中にその場で切除された。自分は大腸がんだったのではないか」とパニックに陥る書き込みが見受けられます。しかし、これは明確な誤解です。
現代の大腸内視鏡診療では、将来的にがん化する恐れのある腺腫を前がん病変のうちに予防的に摘み取る「クリーンコロン(Clean Colon)」の概念が標準となっています。検査中に切除されるポリープの大半(約8〜9割)は良性の腺腫であり、「がんだったから切除した」のではなく「将来がんにならないよう芽を摘んだ」というのが正確な解釈です。
切除手技としては、通電せずにスネアと呼ばれるワイヤーで病変を締め付けて切り取る「コールドスネアポリペクトミー」や、病変の粘膜下層に生理食塩水等を注入して持ち上げてから高周波電流で焼き切る「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」が広く普及しています。いずれも身体への侵襲が少なく、安全に日帰りまたは短期入院で行える確立された手技です。