栽培開始から数日が経過すると、赤玉土の表面に白くフワフワとした綿状の物質が広がり、「カビが生えてしまった!」と慌てて土を削り取ったり、丸ごと廃棄してしまったりする初心者が後を絶ちません。しかし、この現象の9割以上はキノコの菌糸が元気よく呼吸している「気中菌糸(きちゅうきんし)」であり、極めて正常な発生成育の兆候です。
しめじ栽培におけるカビの見分け方は、色と形状の変化を冷静に観察することで瞬時に判断できます。
- 健全な気中菌糸:純白色で絹糸のようにふんわりと土全体に広がり、嫌な臭いはなく、新鮮なキノコ特有の芳醇な土の香りが漂う。
- 有害な雑菌・カビ(トリコデルマ等):最初は白く見えても数日で「青緑色」「濃い緑色」「黒色」へと変色し、ツンとする腐敗臭や酸っぱい異臭を放つ。
もし青緑色のアオカビ(トリコデルマ菌)が発生した場合は、初期段階であれば清潔なスプーンで患部の土ごと深めにすくい取り、エタノール等で消毒した後に新しい清潔な赤玉土を補充することでリカバリーが可能です。
また、気になるしめじ栽培の2回目発生についてですが、シイタケが2回目・3回目と容易に収穫できるのに対し、ぶなしめじは1回目の発生で菌床の栄養分の約70%〜80%を使い果たします。そのため2回目の発生難易度は高めですが、以下の再生手順を踏むことで再収穫の確率をグッと高めることができます。
1回目の収穫後、残った古い根元や死んだ幼菌をピンセットできれいに取り除きます。その後、約2週間ほど霧吹きを極力控えて菌床を休ませる「休養期間」を設けます。十分に休養させた後、ブロック全体を冷水に数時間浸水させて水分を飽和させ、再び冷涼な環境(10℃〜13℃)に置くことで、2回目の発生スイッチを誘発させることができます。