1980年代、日本の音楽シーンは劇的な変革期を迎えていた。その中心にいたのが、稀代のアイドル・松田聖子と、ニューミュージックの女王・呉田軽穂こと松任谷由実である。「赤いスイートピー」や「渚のバルコニー」、「秘密の花園」といった楽曲は、単なるヒット曲の枠を超え、当時の若者たちのバイブルとなった。ユーミンの洗練されたメロディと、聖子の圧倒的な表現力・キャンディボイスの融合は、まさに奇跡的な化学反応だったと言える。
しかし、当時の二人は決して密接に交わっていたわけではない。スタジオでのすれ違い、メディアが煽るライバル構図。ファンはそこにドラマを見出し、二人の距離感に一喜一憂した。それから40年以上の歳月が流れ、それぞれの道を極めた彼女たちが再び同じ地平に立つこと自体が、もはや歴史的な事件なのだ。