逆流性食道炎にバナナはダメ?胸焼けを招く罠と悪化を防ぐ新常識

逆流性食道炎にバナナはダメ?胸焼けを招く罠と悪化を防ぐ新常識

逆流性食道炎にバナナはダメ?胸焼けを招く罠と悪化を防ぐ新常識について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をお届けします。

バナナが逆流性食道炎の食事療法において推奨される最大の根拠は、そのpH値が5.0前後と弱酸性〜中性に近い点にあります。オレンジやグレープフルーツといった柑橘類(pH3前後)のようにダイレクトに食道粘膜を焼く心配が少なく、ペクチンなどの水溶性食物繊維が胃壁を保護する働きを持つことは事実です。

しかし、問題はその先にある消化プロセスです。逆流性食道炎の患者がバナナを口にして症状が悪化する主たる原因は、バナナに含まれる豊富な糖分と胃酸分泌の関係にあります。完熟したバナナにはブドウ糖、果糖、ショ糖といった単純糖質が凝縮されており、これらが胃内に入ると浸透圧の上昇を引き起こします。胃粘膜にあるG細胞が刺激を受けると、消化ホルモンであるガストリンが分泌され、胃酸過多の状態が一気に作り出されるのです。

さらに見逃せないのが、胃と食道のつなぎ目を締める弁である「下部食道括約筋(LES)」の弛緩です。高浸透圧の糖質や消化に時間を要する固形物が胃内に長くとどまると、胃内圧が上昇し、LESの一時的弛緩(TLESR)が誘発されます。これにより、過剰に分泌された胃酸がバナナのペーストとともに一気に食道へと跳ね上がり、激しい胸焼けや呑酸(どんさん)、みぞおちの痛みを引き起こす構造が生まれます。

山田 真由
著者

山田 真由

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