愛猫家の間では「イカ耳」のほかに「飛行機耳」という呼称も広く使われています。結論から言うと、獣医学や動物行動学においてイカ耳と飛行機耳に明確な学術的区別はありません。どちらも耳介(じかい)を水平または後方に倒した状態を指す俗称です。
ただし、飼い主コミュニティや現場のニュアンスとしては、以下のように使い分けられる傾向が見られます。
- イカ耳:耳が横にピンと張り出し、正面から見たときにイカの頭(三角形のひれ)のように尖って見える状態。警戒や緊張、集中時に多く用いられる表現。
- 飛行機耳:耳がペタッと真横に広がり、飛行機の主翼のように見える状態。犬にもよく使われ、服従や甘え、あるいは強い風を受けた際などのコミカルな場面で呼ばれやすい表現。
重要なのは呼び名ではなく、耳の動きに伴う全身のボディランゲージです。猫は感情を全身で表現する動物であり、耳・瞳孔・ヒゲ・しっぽの4点を連動して確認することで、その瞬間の本気度を正確に把握できます。
例えば、耳が横を向いていても瞳孔が通常通りでしっぽをゆっくり振っているなら「周囲の物音に気を取られているだけ」です。一方で、耳が完全に寝ており、瞳孔が大きく開き、背中の毛が逆立ってしっぽが太くなっている場合は「最大級の警戒・臨戦態勢」を示しています。