溶接のオーバーラップ完全攻略!原因・アンダーカットとの違いと補修法を解説

溶接のオーバーラップ完全攻略!原因・アンダーカットとの違いと補修法を解説

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外観検査でオーバーラップが検出された場合、そのまま放置することは許されません。補修作業には明確な手順が存在し、適切な処置を行わなければ母材の厚みを損ない、新たな欠陥を生み出す二次災害につながります。

1. グラインダー補修の正しい手順と注意点

オーバーラップの溶接補修方法における基本は、母材を傷つけずに余剰な溶着金属と不溶着スリットを完全に削り落とすことです。

  • ツールの選定:母材を過剰に掘り込まないよう、オフセット砥石(粒度#36〜#60程度)またはフラップディスク(ペーパー研磨輪)を使用します。狭隘部には軸付き砥石や超硬ロータリーバーを用います。
  • 削り込み角度:母材表面に対して砥石を立てすぎず、15度〜30度の浅い角度で当て、ビード止端部の不溶着部が完全に消えるまで滑らかに削ります。
  • グラインダー目の方向:応力方向に沿って研削目を整え、研削による傷が新たな応力集中源(ノッチ)にならないよう、ビード長手方向に対して滑らかなR(曲率)をつけるように仕上げます。
  • 再溶接の要否判定:研削の結果、規定ののど厚(ビード高さ)や脚長が不足した場合は、適切な予熱と電流設定のもとで再溶接(手直し溶接)を実施します。この際、前後の既存ビードとの継ぎ目(ビード継ぎ)でブローホールやピットなどの溶接欠陥を誘発しないよう、アークスタート位置に十分注意します。

2. アーク溶接におけるオーバーラップ防止の条件設定

補修以上に重要なのが、再発を防ぐための施工条件の標準化です。アーク溶接のオーバーラップ防止には、以下のパラメータ管理を徹底します。

  • 溶接電流と速度の適正化:母材板厚に応じた適正電流を確保し、溶融池が前進するアークの直下に位置するよう、一定の速度でリズミカルに運棒します。電流を上げた場合は進行速度も比例して上げる必要があります。
  • 適正なトーチ角度の保持:進行方向に対してトーチ後退角を10度〜15度程度に保ちます。角度を寝かせすぎるとアークの掘り下げ力が失われ、前方に溶融金属が垂れ流れる原因になります。
  • 適切な開先形状と隙間(ルートギャップ):開先角度が狭すぎると底部に熱が届かずオーバーラップが発生します。JIS基準に準じた開先角度(一般に50度〜60度)とルート間隔を確保します。
松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。