精肉店や業務スーパーなどで生のぼんじりを手に入れた際、そのまま焼いてしまうと「独特の獣臭さが気になって食べられなかった」という失敗談が後を絶ちません。その原因の9割以上は、尾部に存在する黄色い分泌腺であるぼんじりの油壺の下処理が不十分であることに起因します。
油壺(あぶらつぼ)とは、鳥類が羽づくろいを行う際に、クチバシで自らの分泌液をすくい取って全身の羽に塗り、防水性や柔軟性を保つために発達した「尾脂腺(びしせん)」のことです。鶏が生きていく上で不可欠な器官ですが、脂が酸化しやすく、加熱すると特有の強い臭気を放ちます。プロの焼き鳥職人が仕込みにかける時間の多くも、この油壺を丁寧に取り除く作業に割かれています。
ぼんじりの臭み取りのコツと下処理の具体的なステップは以下の通りです。
- 油壺の位置を確認する:ぼんじりの突起の先端付近、皮膚の裏側をめくると、左右に対になって埋まっている黄色〜クリーム色の米粒大の小さな塊(油壺)が確認できます。
- 包丁またはハサミで切り取る:油壺を指で軽く押し出し、周囲の肉を傷つけすぎないよう注意しながら、包丁の刃先やキッチンバサミで根元から切り落とします(※黄色い脂の塊を潰さないように除去するのがポイントです)。
- 中央の尾骨を外す:真ん中に硬い尾骨(小骨)が残っている場合は、骨に沿って縦に浅く切り込みを入れ、骨の周りをこそげるようにして取り除きます(軟骨ごと食べるカット法もありますが、家庭では骨を外した方が圧倒的に食べやすくなります)。
- 酒水での揉み洗いと水気オフ:下処理を終えた肉をボウルに入れ、大さじ1〜2杯の日本酒(または少量の粗塩)で優しく揉み込んだ後、冷水で素早く洗い流します。仕上げにキッチンペーパーで水分を徹底的に吸い取れば、仕込みは完璧です。