ジェッソとは?白絵の具との違いや驚きの効果・失敗しない塗り方

ジェッソとは?白絵の具との違いや驚きの効果・失敗しない塗り方

ジェッソとは?白絵の具との違いや驚きの効果・失敗しない塗り方とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

ジェッソ(Gesso)とは、キャンバス、木パネル、紙、金属などの支持体に塗布し、絵具の食いつきを向上させるアクリル系下地材です。語源はイタリア語で「石膏(Gypsum)」を指し、古典技法では膠(にかわ)水と石膏を混ぜた地塗りを指していました。現在市場に流通しているものの主流は、アクリルエマルジョン樹脂と炭酸カルシウム、チタン白などを精密に調合した水性下地材です。

ネット上のQ&Aコミュニティ等で最も頻出する「ジェッソと白絵の具の違い」について、画材開発者の設計思想から比較すると、その役割の差異は明確です。

白絵の具(チタニウムホワイトなど)は、鮮やかな発色と柔軟な塗膜を形成し、光沢や平滑性を持たせるためにアクリル樹脂バインダーの比率が高く設計されています。乾くと表面がプラスチック状の滑らかな膜になるため、その上に別の絵具を重ねると滑りやすく、絵具同士が物理的に噛み合いません。

対してジェッソは、体質顔料である炭酸カルシウムを大量に含んでいます。乾燥するとミクロ単位の無数の微細な孔(ポーラス構造)を持った、まるで陶器や画用紙のような「ざらつきのある艶消し面」を形成します。この微細な凹凸に上塗りの絵具が入り込むことで、強力な摩擦力と結合力、いわゆるアンカー効果(投錨効果)が発揮されます。これが、支持体への絵具の定着力を何倍にも引き上げる科学的根拠です。

ジェッソを塗布することで得られる効果は、単なる定着向上にとどまりません。支持体からの「アク・油分の染み出し防止」「吸水性の均一化」「下地の白色度向上による上塗り絵具の発色強化」という4つの役割を同時に果たします。キャンバスの生糸が持つ吸水ムラを抑え、作家が意図した通りの筆致とグラデーションを再現可能にする基盤こそがジェッソです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。