閉鎖された広大なゴルフ場跡地がどのような道を辿ったのか、現在最も注目を集めているのがメガソーラー(大規模太陽光発電所)への転用計画です。広大な面積を有し、日当たりが確保され、すでに樹木がある程度伐採されているゴルフ場跡地は、再生可能エネルギー事業者にとって格好の開発ターゲットでした。
広島安佐ゴルフクラブの敷地に対しても、事業停止直後から発電事業者による用地買収や賃貸借の打診が行われ、数万キロワット規模のメガソーラー設置計画が具体化しました。しかし、この再開発構想はすんなりと進んだわけではありません。その背景には、広島特有の地質リスクが存在します。
安佐北区は風化花崗岩(マサ土)が広く分布する地帯であり、2014年の広島豪雨をはじめとする度重なる大規模土砂災害の記憶が生々しく残る地域です。「ゴルフ場跡地の森林や芝生を剥ぎ取って太陽光パネルを敷き詰めれば、保水力が著しく低下し、下流の集落に土砂災害や鉄砲水をもたらすのではないか」という地元住民の強い危機感から、開発を巡る説明会では激しい反対意見が噴出しました。
2026年最新状況を取材すると、改正された再生可能エネルギー特別措置法や広島県の厳格化された林地開発許可基準、さらには自治体の防災ガイドラインへの適合が求められた結果、計画は大幅な見直しや防災調整池の増設などの安全対策を余儀なくされました。敷地の一部では造成工事やパネル設置の準備が進展した一方、かつての18ホールのフェアウェイは雑草が生い茂り、造成用の重機が点在する「自然と人工構造物が入り交じる荒涼とした景観」へと変貌を遂げています。往年の名コースの面影はもはや完全に消え去り、ゴルフ場としての復活は完全に不可能な状況となっています。