11月3日を迎えると、SNSや情報サイトで美術館博物館無料開放日の告知が一斉に拡散されます。「なぜこの日だけタダになるのか」と疑問を抱く方も少なくありません。この疑問の答えは、日本の祝日法と戦後文化行政の成り立ちにあります。
祝日法(国民の祝日に関する法律)において、文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日と定められています。元々は1946年11月3日の日本国憲法公布を記念して制定された経緯があり、平和憲法の理念である文化国家の建設を具現化するシンボルとして位置づけられました。文部科学省や文化庁の指導のもと、国民が広く優れた芸術や学術に親しむ機会を創出するため、独立行政法人国立美術館や国立科学博物館をはじめとする公立施設が文化の日無料開放施設として門戸を開いてきた歴史があります。
ここで知っておくべき決定的な注意点があります。無料の対象となるのは基本的に「常設展(所蔵作品展)」に限られ、大規模な巡回展などの「特別展・企画展」は通常どおり有料であるケースが大半を占めます。国立西洋美術館や東京国立博物館などでは、敷地内への入場や常設コレクションの鑑賞が無料となる一方、人気企画展の入場には別途チケットと日時指定予約が必要な場合があるため、事前の券種確認を怠ってはなりません。