時計の針を少し戻そう。二人の関係に決定的な亀裂が入ったと報じられたのは、酒井氏と志らくの弟子との不倫報道だった。主宰する劇団内でのスキャンダルは、ワイドショーの格好の餌食となり、志らく自身がキャスターを務める番組で釈明に追われる事態にまで発展した。普通であれば、憎悪と決別しか残らないはずの局面である。
だが、志らくの対応は異例だった。妻を責め立てるのではなく、自らの家庭内でのあり方をも省みる姿勢を見せたのだ。この一件が、二人の関係を単なる男女の愛憎から、より複雑で強固な「同志」のような結びつきへと変容させる契機となったのは間違いない。