ウェブやSNS上には誤った園芸知識が散見され、それが原因で枯死させてしまうケースが少なくありません。ここでは現場データに基づいてネットの噂の真相を是正します。
誤解1:「太陽光が大好きだから発根中もガンガン直射日光に当てるべき」
これは最も危険な誤認です。成長したバジルは日光を好みますが、根を持たない挿し穂にとって直射日光は致命傷になります。吸水能力が不十分な段階で強い光と熱に晒されると、気孔からの蒸散に給水が追いつかず、半日で組織が壊死します。発根がしっかり確認できるまでは、レースのカーテン越し程度の「半日陰・間接光」で管理するのが生物学的な鉄則です。
誤解2:「根が早く出るように水に薄い液肥を混ぜておく」
前述の通り、肥料は「根から吸収して光合成により代謝するもの」です。根毛がない挿し穂は肥料成分を吸収できず、水中に高濃度のチッソ・リン酸・カリが滞留すると、浸透圧によって挿し穂内の水分が水中に吸い出される「脱水枯れ」を招きます。また、栄養分は水中の雑菌やカビのエサとなり、腐敗スピードを一気に加速させます。発根前の水は純粋な水道水、あるいは発根促進剤(メネデールなど微量要素系)のみにとどめるべきです。
誤解3:「水替えは減った分だけ注ぎ足せばいい」
注ぎ足しだけを繰り返すと、容器底面に老廃物や嫌気性バクテリアが沈殿し、溶存酸素が枯渇します。水替えは「古い水を完全に捨て、容器の内側を軽く指で洗い流してから新しい水を注ぐ」ことが不可欠です。水道水に含まれる微量の塩素は殺菌作用を発揮するため、汲み置きの水ではなく蛇口から出したての水道水を使うのが最適です。