実際の入院患者やその家族は、この面会体制をどのように受け止めているのでしょうか。地域コミュニティや取材を通じて聞こえてくるのは、制度の厳格さに戸惑う声と、大学病院ならではの安心感を評価する声の双方です。
「県外から新幹線で駆けつけたが、1枠15分しか取れず、あっという間に時間が過ぎてしまった。もっとゆっくり顔を見たかったのが本音」(上越市在住・60代男性・妻が入院中)
「孫の顔を見せてあげたかったが、中学生以下は病棟にすら入れないと言われ、院外の駐車場で夫と交代で車内待機した。スマートフォン越しにビデオ通話をするしかなかったのは少し寂しかった」(新潟市中央区・40代女性・実父が入院中)
こうした不満や切なさが吐露される一方で、重症化リスクの高い患者の家族からは真逆の証言も得られています。
「骨髄移植を受けた後の無菌治療室近くの病棟に入院していたため、誰彼構わず人が出入りする環境では怖くて仕方がなかった。予約制で人数を絞り、体調不良者を徹底的に弾いてくれる大学病院の厳しさは、患者家族としては最大の防御壁であり、心から信頼できた」(長岡市・50代女性)
現場の看護師からは「病棟業務の中で面会予約の管理や受付対応を行うのは非常に神経を使う業務だが、万が一病棟内でクラスターが発生すれば、予定されていた手術が中止になり患者さんの生命予後に直結する。心苦しいお断りをすることもあるが、ご理解いただきたい」という切実な声が聞かれました。規律の厳しさは、医療現場の防衛ラインそのものなのです。