バイオマン矢島由紀の現在と失踪の真相|降板42年目の真実

バイオマン矢島由紀の現在と失踪の真相|降板42年目の真実

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昭和特撮の歴史において、第10話「消えた?人形人間」は異様極まりないエピソードとして知られています。この回こそが、劇中で超電子バイオマン 小泉ミカ 死亡理由が描かれた運命の放送回でした。

通常、ヒーロー番組で主役級戦士が命を落とす場面では、素顔の俳優による迫真の演技と仲間との悲痛な別れがハイライトとなります。しかし、小泉ミカの最期は極めて特異でした。矢島由紀本人が撮影所へ現れなくなったため、第10話におけるイエローフォーはオープニングからエンディングまで「変身後のスーツ姿」のまま進行。素顔の小泉ミカは過去のストック映像によるワンカットの回想シーンを除き、現場での新規撮影は1秒たりとも行われませんでした。

さらに異例だったのはアフレコ(声の吹き替え)です。本人がスタジオに不在であったため、急遽キャスティングされたのが、のちに『ONE PIECE』のルフィ役などで国民的声優となる田中真弓でした。田中真弓による鬼気迫る代役熱演により、新帝国ギアの幹部・メイスンが放つ反バイオ粒子兵器「バイオキラーガン」の連射を受け、全身のバイオ粒子を破壊されて壮絶に散るイエローフォーの姿が描かれたのです。

現場に残された共演者たちの動揺は想像を絶するものでした。レッドワン(郷史朗)役を務めた阪本良介は、後年のインタビューや回顧録において「前日のロケ帰りのロケバスの中で、矢島さんから『明日から私、来ないかもしれない』とポツリと言われた。冗談だと思っていたら、翌朝本当に現場に現れなかった」と生々しい証言を残しています。制作陣は撮影スケジュールの破綻と番組打ち切りの危機に直面し、スーツアクターと代役声優のみで戦死エピソードを仕立て上げるという、冷徹かつ極限の現場判断を下すほかありませんでした。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。