ネット上の掲示板やSNSを検索すると、「神尾記念病院 悪評」や「トラブル」といった穏やかではない関連ワードが表示されることがあります。しかし、医療事故や重大な医療過誤の報道が存在するわけではありません。ではなぜ、このようなネガティブな噂がひとり歩きしてしまうのでしょうか。
その本質は、「患者が求める医療サービス」と「専門特化型病院の機能」との間にあるミスマッチです。
日本の医療において、患者の多くは「医師が自分の辛い症状をじっくり聞き、不安を受け止めてくれること」を期待します。いわゆる心理的ケアやカウンセリング的要素への期待です。しかし、神尾記念病院のような一刻を争う重症患者や難治例が押し寄せる専門病院では、医師の最大の使命は「限られた時間内で客観的検査データを見極め、確定診断を下し、有効な術式や処方を確定すること」になります。
この結果、医師の言葉数が少なくなったり、所見を端的に伝えるだけのやり取りになったりすることで、患者側は「冷たい」「話を聞いてくれない」「高圧的だ」と受け取ってしまいがちです。これがネット上で増幅され、「対応が最悪だった」「悪評通りの塩対応」というレビューへと変貌を遂げていきます。
また、神尾記念病院をセカンドオピニオンとして受診する患者の中には、「前の病院での診断を完全に否定し、奇跡の治療法を提示してくれるはずだ」と過度な期待を抱いて訪れるケースもあります。そこで科学的根拠に基づき「前医の診断通りであり、現時点では経過観察がベスト」と告げられた際、期待が裏切られたと感じて不満を書き込むケースも少なくありません。噂の背景には、高度医療機関ゆえのドライな合理性があることを正しく認識しておく必要があります。