「小林麻央さんは、本当に鹿児島のオンコロジークリニックで治療を受けていたのか?」――この問いは、彼女の闘病中から現在に至るまで、患者コミュニティやネット上で幾度となく投げかけられてきました。結論から述べれば、小林麻央さんが鹿児島UMSオンコロジークリニック(旧UASオンコロジーセンター)で放射線照射などの本格的な治療を受けたという事実は確認されていません。
では、なぜこれほど強固に二つの名前が結びつき、まことしやかに語られ続けたのでしょうか。発端は、2014年以降に進行性乳がんとの闘いを余儀なくされていた麻央さんのもとへ、芸能界や医療関係者から無数の治療法や名医の情報が寄せられていた時期に遡ります。当時、同じく乳がんや多臓器への転移を公表しながら、驚異的なバイタリティで活動を継続していた名女優・樹木希林さんの存在がありました。樹木さんが鹿児島に通い、切らずにがんを抑え込んでいるという実績は、週刊誌各社や情報番組によって「がん克服の奇跡」として大々的に報道されていたのです。
報道関係者の証言や当時の女性週刊誌の記録によれば、樹木希林さん自身が麻央さんの体調を案じ、自身の主治医であった植松医師や同クリニックの治療法を助言した、あるいは周囲の関係者がセカンドオピニオンの候補先としてリストアップしたと報じられました。さらに、麻央さん自身が2016年9月に開設した「小林麻央 ブログ KOKORO」において、病気発覚初期の医師選びや治療方針への逡巡を明かしたことで、「都内の標準治療から離れ、鹿児島の先進的な施設を頼ったのではないか」という憶測が爆発的に拡散することとなったのです。