従来のワールドカップは、2002年の日韓共催を除き、原則として1カ国の単独開催が基本でした。しかし、ワールドカップ 3カ国共催の理由の根底には、メガスポーツイベントが直面する過酷な財政・インフラ問題が存在します。
48チーム・104試合を収容するためには、FIFA基準(収容人数4万人以上、準決勝6万人以上、決勝8万人以上)を満たすハイレベルなスタジアムが最低14〜16会場必要となります。これらを1カ国だけで新設・改修し、さらに各国の代表チームが利用するベースキャンプ地や交通網を整備することは、国家財政にとって極めて重い負担となります。過去の大会で見られた「スタジアムの負の遺産化(白象化)」を避けるため、既存インフラが極めて充実しているアメリカ カナダ メキシコ W杯の連合招致が最も現実的かつ持続可能な選択肢として支持を集めました。
近年のサッカーW杯 開催地の決め方は、かつてのFIFA理事会(現評議会)の密室投票から、全加盟協会(211協会)によるオープンな電子投票方式へと改革されています。2018年ロシア大会や2026年カタール大会の招致活動を巡る汚職疑惑を受け、FIFAは透明性の確保を余儀なくされました。
また、開催地決定においては「直近2大会を開催した大陸連盟(大陸カンファレンス)には次回開催権を与えない」という大陸ローテーション原則が厳格に適用されています。このルールこそが、2030年大会や2034年大会の選定において劇的なドラマを生み出す要因となりました。