年末になると数時間の待ち行列ができる東京・有楽町の「西銀座チャンスセンター」。「あの売り場は当たりが出やすい」「1番窓口で買うと億万長者になれる」という伝説は、今なお根強く信じられています。公式発表の当選実績でも、同売り場からは累計500名以上の億万長者が誕生し、当選総額は数百億円に達しています。
この驚異的な実績の裏にあるのは、スピリチュアルな運気の集積ではなく、統計学における「大数の法則(Law of Large Numbers)」にほかなりません。
宝くじの1等当せん券は、特定の売り場を狙って配分されているわけではなく、日本全国の売り場へ機械的・ランダムに出荷されます。西銀座チャンスセンターで億万長者が頻発する最大の理由は単純明快で、「全国で最も膨大な枚数を販売しているから」に過ぎません。
仮に1つの売り場で全体の10%に相当する枚数が売れれば、確率統計上、全国の1等の約10%がその売り場から出現するのは数学的な必然です。あなたが西銀座チャンスセンターの1番窓口で手にする1枚と、地方の駅前にある無人の片隅スタンドで買う1枚の当選確率は、完全に等しく「2000万分の1」です。「当たりが出ている場所で買えば当たりやすい」と錯覚してしまう心理は、認知科学でいう「クラスター錯覚」および「生存者バイアス」の典型例といえます。