多くの受験関係者を驚かせるのが、筑駒のカリキュラムが「東大合格に特化した予備校的カリキュラム」とは対極に位置しているという事実です。世間が抱く進学校のイメージとは裏腹に、筑駒 自由な校風 理由には、同校の成り立ちと国立大学附属校としての特殊なミッションが深く関わっています。
同校の前身は、明治時代に設置された東京農業教育専門学校および東京教育大学農学部附属農芸高等学校に遡ります。このルーツを今に伝える象徴が、世田谷区池尻の校舎隣にある「ケルネル田んぼ」での水田学習です。中学1年および高校1年の生徒たちは、自らの手で田植えを行い、泥にまみれて稲刈りを体験します。最難関の進学校でありながら、土に触れ、農業の生命循環を学ぶフィールドワークが必須履修として組み込まれているのです。
さらに、教員陣の多くは筑波大学などの研究機関と連携し、独自の教科書やプリント教材を用いてハイレベルな教養教育を展開します。大学受験のテクニックを伝授するのではなく、「学問そのものの面白さ」「なぜその数式が成り立つのかという根本的洞察」に時間を費やす授業が中心です。制服(標準服はあるものの着用義務は緩やか)や細かな生活指導の校則はほとんどなく、生徒の自治活動に運営の多くが委ねられています。
学校側が受験対策を押し付けないにもかかわらず驚異的な進学実績を叩き出せるのは、この自由な教育方針によって「学問に対する内発的動機づけ」が極限まで高められるからです。知的な制約を受けずに伸び伸びと育った生徒たちは、目標を定めた瞬間にすさまじい集中力を発揮し、自らの意志で受験の壁を軽々と突破していくのです。