普天間基地問題と並び、政権の屋台骨を内側から腐食させたのが鳩山氏自身の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金事件でした。2009年6月、すでに死亡した人物や実際には献金していない人物の名義を使った寄付が収支報告書に記載されていたことが発覚し、「故人献金疑惑」としてメディアの集中砲火を浴びました。
その後の東京地検特捜部の捜査によって判明したのは、さらに衝撃的な実態でした。鳩山氏の実母であり、世界的タイヤメーカー・ブリヂストンの創業者一族である鳩山安子氏から、鳩山氏側に月額約1500万円、数年間で総額12億円を超える資金が提供されていたことが明らかになったのです。鳩山氏本人は「秘書に任せきりで資金の出処を知らなかった」と釈明しましたが、野党や世論からは「子ども手当を自ら実践していたのか」と激しい批判が巻き起こりました。
当時、民主党幹事長であった小沢一郎氏も自身の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る疑惑で検察審査会から「起訴相当」の議決を受けており、鳩山総理の政治資金問題と小沢氏の疑惑という「政治とカネのダブルパンチ」が、クリーンな政治を約束して誕生した民主党政権の道義的正当性を決定的に損なわせました。