山崎菅原神社を語る上で欠かせないのが、全国でも授与している社寺が極めて限られているイチハラヒロコ恋みくじの存在です。現代美術作家のイチハラヒロコ氏が手がけたこのおみくじには、「大吉」や「凶」といったお馴染みの運勢区分が一切存在しません。白地に黒の太ゴシック体で、ただ一行、短文のフレーズが印刷されているだけという極めてミニマルな造りです。
紙を開いた瞬間に飛び込んでくるのは、実に容赦のない言葉たちです。
「すきならすきと、いいなよ。」
「どうにもならない話。」
「女に生まれて、よかった。」
「よかれと思ってしたことが裏目に。」
ユーモアがありながらも急所を突く言葉の数々は、恋に迷う参拝者の胸に深く突き刺さります。「恋みくじ 当たる 噂の真相」を探るべく寄せられた口コミや評判を精査すると、運勢の良し悪しを予言されるのではなく、「自分が心の底で薄々気づいていた本音」を白日のもとに晒される感覚を覚える人が圧倒的多数を占めています。
曖昧な気休めを一切排除した直球の言葉だからこそ、読んだ瞬間に自分の境遇と重なり合い、驚くほどの的中感を生み出します。引いた紙を撮影してSNSに投稿したくなるビジュアルの潔さも相まって、口コミの連鎖は今なお衰えを見せません。