マーケティングの現場もまた、この地殻変動の渦中にある。タレントを起用した絢爛豪華なプロモーションや、巧妙に設計されたインフルエンサー案件の効果は目に見えて低下した。消費者の目は肥え、演出された感動や作られた熱狂を瞬時に見抜く。
対照的に、SNS上で爆発的な購買を引き起こすのは、一般消費者の日常の愚痴や何気ない絶賛から発祥した商品だ。企業が巨額の予算を投じるプレゼンよりも、ユーザー同士の「これ使ってみたら凄かった」「ここはイマイチだった」という本音のやり取りが、購買意欲を強力に刺激する。見せかけのブランディングは破綻し、嘘のない声が集まる場を作れるかどうかが企業の生死を分ける時代へ突入した。