境内の北西側に位置する「青木の富士塚」は、川口市指定の有形民俗文化財にも登録されている貴重な史跡です。江戸時代、富士山への登拝が叶わない庶民のために築かれたこの塚は、本物の富士山の溶岩(黒ボク)を用いて築かれており、頂上まで登ることで富士山に直接登頂したのと同等のご利益が得られると伝えられています。
インターネット上では「富士塚には怪異がある」「むやみに登ると災いが起きる」といった参拝にまつわる噂や憶測が散見されますが、その真相は至って明快です。神聖な霊峰を模した祈りの場であるがゆえに、信仰心を欠いた軽はずみな行動や、立ち入り禁止区域への侵入を戒める戒律が、いつしか誇張されて都市伝説化したものに過ぎません。
現在、普段の参拝では塚の保全と安全管理のため登拝路が制限されていますが、毎年6月30日から7月1日にかけて行われる「初山祭(山開き)」の期間中には、一般の登拝が公式に解禁されます。この時期には生まれたばかりの赤ちゃんの額に富士山の御朱印を押し、無病息災を祈る伝統行事「初山参り」が行われ、多くの家族連れで境内が歓声に包まれます。