生香園と周富輝氏を語る上で欠かせないのが、1990年代の『料理の鉄人』をはじめとするメディア経歴です。当時、テレビ朝日の『浅草橋ヤング洋品店(アサヤン)』における中華大戦争や、フジテレビの『料理の鉄人』での陳建一氏との名勝負など、富徳・富輝の周兄弟は日本のお茶の間に「中華料理のダイナミズム」をエンターテインメントとして届けました。
しかし、このメディア露出の過熱が、一部で奇妙なバイアスを生み出すことにもなりました。「テレビタレントの店」「名前だけの看板貸しではないのか」という穿った見方をされる歴史があったのです。
ですが、その見方は完全に的外れと言えます。周富輝氏は幼少期から横浜中華街の伝統に育まれ、本場香港や日本の名門ホテル厨房で過酷な下積みを経て基礎を叩き込まれた本物の料理人です。テレビ出演は広東料理の魅力を大衆に啓蒙するための手段に過ぎず、その根底にある調理技術、乾物の戻し方、油通しの温度管理といった基礎技術は、現在も厨房の職人たちへ厳密に継承されています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
食文化と外食産業の視点から、生香園へ足を運んで心から満足できる人と、ミスマッチを起こしやすい人の条件を提示します。
【訪れるべき人(強くおすすめできる条件)】
・素材の旨味や出汁の深みを味わう、伝統的で本格的な広東料理が好きな人
・看板料理「しじみの醤油漬け」をつまみに、紹興酒をじっくり傾けたい人
・昭和・平成の料理界を支えたレジェンドの歴史や空気感を肌で感じたい人
・関内・馬車道エリアで、失敗のない手堅い中華ランチを探している人
【慎重になるべき人(他店を検討したほうがよい条件)】
・激辛麻婆豆腐や強烈なスパイス感を中華料理に求めている人(四川料理店を推奨)
・高級ホテルのような静謐で至れり尽くせりのラグジュアリーな接客を最優先する人
・「ワンコイン」や「メガ盛り」といった低価格・大衆性のみを重視する人