多くの飼い主が抱く「猫シニア期何歳から始まるのか」という疑問に対し、獣医学上の見解は「7歳から」で一致しています。人間でいえば44歳前後にあたり、いわゆる「初老・ミドルシニア」を迎える転換点です。
猫は野生時代の名残から、自らの体調不良や痛みを極限まで隠そうとする習性を持っています。そのため、飼い主が「急激に老け込んだ」と感じたときには、すでに病態がかなり進行しているケースが珍しくありません。日常の些細な行動変化に現れる猫老化のサインを見逃さない観察力が求められます。
- 上下運動を躊躇する:キャットタワーの最上段に行かなくなった、ソファに飛び乗る前に一度見上げる動作が入る場合は、変形性関節症による痛みが疑われます。
- 毛づくろい(グルーミング)の減少:関節の柔軟性が失われたり口内炎の痛みがあると、毛づくろいが疎かになり、背中や腰の毛割れ・毛玉が目立つようになります。
- 飲水量と排尿量の急増:「水を飲む量が増え、おしっこの量が増えた」という変化は、高齢猫の死因上位を占める慢性腎臓病の初期症状の典型例です。
- 夜鳴きや徘徊:夜間に大きな声で鳴き続ける、部屋の隅で立ち尽くすといった行動は、甲状腺機能亢進症や認知機能不全症候群(猫の認知症)のサインです。