圧倒的な人気を誇ったお化け特番がなぜ幕を下ろすことになったのか。芸能人水泳大会の放送中止理由を紐解くと、単一の原因ではなく、メディア環境を取り巻く3つの構造的変化が浮かび上がってきます。
第1の要因は、視聴率の低下と莫大な制作費の乖離です。1990年代後半から2000年代にかけて娯楽の多様化が進むと、かつてのように30%近い数字を獲ることは不可能になりました。大磯ロングビーチを貸し切り、何十人ものタレントや大規模な技術スタッフを拘束する制作費は数千万円規模に膨らみます。費用対効果の面で番組の維持が困難になった現実がありました。
第2の要因は、芸能事務所の戦略転換とキャスティングの限界です。アイドルのプロモーション戦略が洗練されるにつれ、事務所側はタレントのイメージ失墜や安売りを警戒するようになりました。「水着で身体を張らなくても人気を獲得できる」環境が整ったことで、主役級のタレントが次々と出演を辞退し、番組の華やかさが損なわれていきました。
第3の要因は、スポンサー企業の降板リスクです。後期の番組はお色気要素を過度に強調するきらいがあり、その悪ノリに対して視聴者からの風当たりが強まりました。企業イメージの毀損を恐れた大手ナショナルクライアントがCM出稿を敬遠し始めたことが、番組継続にトドメを刺す形となりました。