野外や自宅周辺で個体に遭遇した際、専門知識がなくてもわずか3秒で識別できる明確なポイントが存在します。特に「足の構造」「腹の色」「発見場所」の3要素を確認すれば、見間違いはほぼ起こりません。
最も簡単な判別基準は「発見した場所」です。垂直な壁や窓ガラス、エアコンの室外機裏などに張り付いている個体は100%ヤモリです。ヤモリの指先には「指下板(しかばん)」と呼ばれる微細な毛が無数に密集しており、ファンデルワールス力(分子間力)を利用してツルツルしたガラス面でも自由に駆け上がることができます。イモリにはこの構造がないため、垂直な壁をよじ登ることはできません。
逆に、小川や田んぼ、池の浅瀬などの水中で泳いでいたり、濡れた落ち葉の下に潜んでいたりする個体はイモリです。また、トカゲとの違いについてもよく質問が寄せられますが、ニホントカゲやカナヘビは「昼行性で日当たりの良い地面や草むらを高速で走る」のに対し、ヤモリは「夜行性で立体的な壁に張り付く」という活動パターンの違いで判別が可能です。