避暑地選びにおいて気象庁の発表する気温数値だけを信用することは危険です。現場の「体感温度」を決定づけるのは、日射遮蔽(木陰の有無)、湿度、局所的な風速という3つの要素です。
広大な高原リゾートであっても、一面の牧草地や整備されすぎた芝生広場など、直射日光を遮る高木がない場所では、地面からの放射熱によって体感温度が40度近くまで跳ね上がります。標高が1,000m上がると紫外線量は約10〜12%増加するため、日差しを浴び続けると皮膚表面が受ける熱ダメージは都市部以上に過酷です。
逆に、樹齢数百年の木々に覆われた原生林や、渓谷沿いの遊歩道では、樹冠(葉の茂り)が直射日光を90%以上遮断します。さらに植物の蒸散作用によって周囲の熱が奪われるため、気温計の数値より体感温度が3〜4度低く感じられます。旅先を決める際は、「高所であること」に加えて「豊かな森林歩道や水辺があるか」を航空写真や現地マップで確認することが、失敗を防ぐ決定的な知恵となります。