揚げない調理法が定着したことで、サツマイモの品種選びにも新たな視点が生まれている。近年のサツマイモ界を支配してきたのは「紅はるか」や「シルクスイート」に代表される蜜たっぷりの高糖度・ねっとり系だが、揚げない大学芋においては、このねっとり感が諸刃の剣になることもある。
水分が多すぎる品種は、蒸し焼きにした際に角が崩れやすく、飴を絡めたときにホクッとしたコントラストが生まれにくい。そこで見直されているのが、「鳴門金時」や「五郎島金時」といった昔ながらの粉質(ホクホク系)のイモだ。表面の薄いキャラメル層を噛み砕いた瞬間、中から粉を吹いた栗のような素朴な実がほどける。品種ごとの水分量とデンプン質の違いを理解し、自分の好む食感に合わせてサツマイモを選び分ける楽しみが、家庭の料理好きたちの間で静かに熱を帯びている。