急性アルコール筋症の重症化リスクとして、医師が最も警戒するのが「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」への移行です。筋肉細胞が広範囲にわたって融解・壊死すると、細胞内に含まれていた「ミオグロビン」という大量のタンパク質が血中に漏れ出します。
このミオグロビンは分子が大きく、血液をろ過する腎臓の細い管(尿細管)に目詰まりを起こして激しいダメージを与えます。その結果、急激に腎機能が失われる急性腎不全を併発する危険性が極めて高くなります。
腎不全に陥ると体内の老廃物が排泄できなくなり、尿が全く出なくなる無尿状態に陥ったり、高カリウム血症による不整脈から心停止を招いたりすることもあります。最悪の場合、人工透析を余儀なくされるケースもあるため、「ただのお酒の失敗」で片付けるのはあまりに危険です。