「YouTubeのMP3ダウンロードサイトを利用するのは本当に安全なのか」という疑問に対する、セキュリティ専門家の一致した回答は明確です。「安全とは到底言えない極めて危険な環境」です。ネット掲示板や知恵袋などでは「何年も使っているがウイルスには感染していない」という書き込みが散見されますが、これは単に「目に見える深刻な被害に気づいていない」だけに過ぎません。
こうした無料変換サイトのビジネスモデルは、合法的なサービスとは根本的に異なります。運営者は莫大なサーバー代と回線帯域を維持するために、通常の審査を通過できないアンダーグラウンドな広告配信ネットワーク(悪質アドネットワーク)と提携しています。サイトにアクセスした瞬間、ユーザーのブラウザには見えないスクリプトが読み込まれ、クリック一度で不正なリダイレクトループへ放り込まれる構造が敷かれています。
代表的な脅威として確認されているのが、以下の手口です。
- 偽のシステム警告(スケアウェア):「お使いのデバイスがウイルスに感染しています」「バッテリーが破損しています」といった警告音やポップアップを表示し、不要な高額サブスクリプションアプリや遠隔操作ソフトをインストールさせる。
- ブラウザ通知の悪用(通知スパム):「ロボットではありませんを確認してください」と装って「許可」ボタンを押させ、デスクトップやスマートフォンの通知欄にアダルト広告や投資詐欺の誘導を無限に送りつける。
- ドライブバイダウンロード:変換完了ボタンを偽装し、クリック時にバックグラウンドで情報窃取型トロイの木馬やキーロガーを仕込む。
近年のサイバー犯罪動向において、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も繰り返し偽警告によるサポート詐欺被害への注意を喚起しています。悪質広告やポップアップのブロック対策を施していない無防備な端末でアクセスすることは、施錠されていない無人の繁華街を大金を持って歩くような無謀な行為です。