カルピスバターの存在が「幻」と形容される最大の理由は、その極めて限定的な生産プロセスにある。国民的飲料として親しまれる「カルピス」をつくる際、牛乳から脱脂乳を作る過程で生じる高品質な乳脂肪分。これこそが本製品の原点だ。
450gのバターポンドブロックを1個作るために必要なカルピスの量は、およそ47本分。カルピスそのものの製造量に依存するため、意図的に増産することが構造的に不可能に近い。半世紀以上前から業務用として限定生産されてきた背景には、こうした製造上の制約が存在していた。
現在でこそ一般向けパッケージも流通しているが、製造ラインの限られた生産量から店舗への入荷は不定期だ。高級スーパーの棚に並んでも即日完売することが珍しくない背景には、単なるマーケティング演出ではない本物の「数量限界」が存在する。